【冬が辛い】新築なのに室内が寒い原因!簡単な対策と専門的な修繕方法を解説!

【冬が辛い】新築なのに室内が寒い原因!簡単な対策と専門的な修繕方法を解説! 注文住宅

「新築なのに室内が寒いと感じるのはなぜ?」
「室内が寒い場合、どう対策したらいいのだろう…」
「この寒さは許容範囲なのか確認したい」

新築の戸建て住宅を建てた方で、以上のようなお悩みはありませんか。せっかく建てた夢のマイホームにもかかわらず、冬場過ごしづらいとガッカリですよね。

そこでこの記事では、新築の家が寒い場合の原因と対策を以下の内容でお伝えします。

  • 新築の戸建て住宅が寒いと感じる5つの原因
  • 新築入居後に寒い場合の対策4選
  • 暖かい新築住宅か確認する専門的な方法3選
  • 断熱リフォームを検討するなら知っておきたいこと

寒さを簡単に解決したい方はもちろん、深刻な寒さに悩んでいる方にも読んでもらいたい内容になっています。

ぜひこの記事を参考に冬場の住みづらさを改善してください。

新築の戸建て住宅が寒いと感じる5つの原因

新築にもかかわらず寒さを感じるのは、さまざまな原因が疑われますが、主に考えられるのは以下の5つです。

  1. 断熱施工の質が悪い
  2. 気密性が低い
  3. ガラス窓・サッシの断熱性が低い
  4. 24時間換気システムが影響している
  5. 設計・間取りに対して暖房の工夫が少ない

ひとつずつ詳しく解説していきます。

1.断熱施工の質が悪い

家の断熱性能は、使用する断熱材の性能と厚みで決まります。

しかし、断熱材が欠けているなど施工にムラがある現場では、局所的な寒さを感じることがあります。どれだけ性能が高い断熱材を使っても、隙間なく均等な厚みで施工できていないと本来の効果が十分に発揮されません。

断熱材の欠陥が生まれる原因は、十分な知識のない職人が施工するためです。重要性がわかっている職人でなければ、施工不良が発生しやすくなり、想定の断熱性能が担保できなくなります。

2.気密性が低い

住宅の気密性とは、家の外周部にどれだけ隙間があるかです。気密性が低いと外部からすきま風が入りやすく、寒さを感じる原因となります。室内が外気温の影響を受けないよう、気密性能は断熱とセットで考えるべき家づくりの重大なポイントです。

気密を高めるには、床や壁などの構造を組み立てるときに隙間を埋めていく施工をします。しかしながら、建物が完成したあとでは取り返しがつかないことも。それほど重要な要素にもかかわらず、気密を施工・測定している会社は非常に少ないのが現状です。

そのため大手のハウスメーカーで建てた新築にもかかわらず、思ったより寒いなどの問題が起きるのです。

3.ガラス窓・サッシの断熱性が低い

住宅の断熱性は断熱材だけでなく、窓やサッシの性能が大きく影響します。暖房時に熱が流出する割合は全体の58%と言われており、窓は重要な要素です。

例えば、サッシは樹脂製よりもアルミ製の方が熱が伝わりやすくなります。最近の窓は樹脂製のサッシにペアガラスの組み合わせが多いです。一方で、アルミ製のサッシを使っている会社も少なくありません。

また、大きな開口がある家は、見栄えも良く開放感があり人気が高いです。一方で、壁の面積に対して窓の面積の割合が大きいほど、窓の断熱性能の影響を受けやすくなります。

4.24時間換気システムが影響している

24時間換気システムとは、2003年の建築基準法の改正以降すべての新築での設置が義務付けられています。

換気システムによって1時間に家全体の50%の空気=2時間で家中の空気をすべて入れ替える仕組みです。強制的に大量の外気を取り込むため寒さを感じる原因となることも。

換気に加えて、家の隙間が多いと取り込む外気の量は非常に多くなります。そのため、暖房の効率が下がり寒く感じる原因となります。

5.設計・間取りに対して暖房の工夫が少ない

リビング階段や吹き抜けなど空間が広く開放感のある間取りは、入居後寒いと感じる方が多いです。部屋の容積に対して暖房の容量が足りていなかったり、暖かい空気が部屋の上部にたまって部屋全体の空気ががうまく循環しなかったりするのが原因です。

また、部屋ごとに温度差があって寒さを感じるのなら、部屋の間仕切り方を見直す必要があります。

空間に合わせた暖房設備を配置・運転していないのが寒さを感じる原因になります。

新築入居後に寒いと感じたときの対策4選

引用:リビング階段からの冷気を遮る ロールスクリーンで対策 カーテンハウスシルクみどり店

寒さを感じたときに、すぐに試せるお手軽な解決策をご紹介します。

  1. 窓やカーテンを工夫する
  2. すきま風を防ぐ
  3. 換気システムを調整する
  4. 暖房設備を追加する

考えられる寒さの原因から順番に対策していきましょう。

1.窓やカーテンを工夫する

窓まわりを工夫すると簡単に寒さ対策ができます。暖房の熱は全体の58%が窓などの開口部から出ていくため、効果的です。

具体的な対策としては、窓ガラスに断熱シートを貼るのが効果的です。ホームセンターなどで簡単に入手できます。ただし、窓ガラスの種類によっては貼れなかったり、遮光タイプがあったりと商品の選定には注意が必要です。

また、カーテンは床まで長さがあるものを用意して足元からの冷気をシャットアウトしましょう。「断熱ブラインドハニカム・サーモスクリーン」など断熱に特化した商品を取り入れるのもおすすめです。

夜間は窓から熱が逃げるのを防いでくれるので、雨戸やシャッターを閉めるのも効果的です。

2.すきま風を防ぐ

すきま風が入ると、直接体に外気温の影響を受けて寒さを感じやすくなります。

すきま風を防ぐために、サッシや玄関ドアなど開口部には「モヘアシール」という気密材がおすすめです。起毛が密についていてその細かい毛がバリアとなります。

外部からの冷気だけでなく部屋間のすきま風の対策をするなら、リビング階段にカーテンやロールスクリーンを設置するなど部屋の間仕切りを変えるのも良いです。室内の気流をコントロールできるので直接体にあたる冷気の量を減らせます。

また、よくあるのはコンセントやスイッチからの「すきま風」です。電気配線まわりの気密処理が甘いため、冷気が発生します。これは欠陥の可能性が高いため、施工店に連絡すると良いでしょう。

3.換気システムを調整する

寒いと感じたら、換気システムを調整するのも効果的です。

使用しているシステムにもよりますが、ダイヤルやリモコン、排気口のつまみなどを回して簡単に風量を調節できます。ただし、大幅に変えて換気不足にならないよう注意してください。

また、調整しても寒いと感じるなら、換気システムを別の方式のものに交換する方法も有効です。施工店に相談してみてください。

4.暖房設備を追加する

部屋の容積に合わせて、暖房の容量や使い方が適切かをチェックしましょう。エアコンだけで足りない場合は、用途や設置場所に合わせてヒーターやストーブなどを併用する必要があります。

部屋ごとの温度差が気になるのであれば、間仕切りやドアの開閉を工夫して、空間の容積に合わせた温度設定や暖房器具を追加すると効果的です。天井近くにたまった暖かい空気を循環するのにサーキュレーターを導入すると空間の温度を均一にできます。

家全体が底冷えするような寒さでなければ、暖房設備の種類や温度設定を見直すのが一番手っ取り早い対策です。

暖かい新築住宅か確認する専門的な方法3選

引用:ホームインスペクションの費用・タイミング・注意点に関するQ&A

上記の対策や調整を試しても全く解決せず、住宅の欠陥を疑う場合は、専門的な検査やツールを導入するのが確実です。

  1. サーモグラフィーカメラで表面温度を見る
  2. 気密測定で隙間が多くないか確認する
  3. ホームインスペクションを専門家に依頼する

寒さの原因や欠陥がないかを検査する方法を3つご紹介します。

1.サーモグラフィーカメラで表面温度を見る

赤外線(熱放射)を可視化できる「サーモグラフィーカメラ」を用いて、床・壁・天井の表面温度を観察することで温度ムラがないかを判断できます。「何となく冷えるけど、家のどこが寒いのかがわからない」ときも温度が低い場所を特定できるのがメリットです。

サーモグラフィーカメラで見て、床や壁に極端な色の違い(温度ムラ)があれば、断熱材の欠損が考えられます。冬場は表面に冷たい部分(真っ青な部分)が局所的にないかを見て判断します。

住宅外周部の断熱材のチェック以外にも、床暖房の調子が悪い時にフローリングを剥がさず、不良箇所の特定が可能です。

カメラは3万円くらいからレンタルできます。しかし、個人で測定するのは難しいため、専門業者に依頼するのがおすすめです。

2.気密測定で隙間が多くないか確認する

底冷えするような寒さは気密性の低さが一因と考えられます。そこで専門業者に依頼して気密測定を行い、自宅の気密性能を数値で可視化してもらうといいでしょう。

気密測定の結果として出るC値(隙間相当面積)は、家全体でどれだけ隙間があるかを数値化した気密性能の指標です。数値が小さいほど隙間が小さい=気密性が高いとされ、C値が1.0以下であればある程度の高気密住宅といえます。

気密測定の費用相場は現地で行う必要があるため5万円くらいから依頼が可能です。もし隙間が多くて補修する必要があれば、隙間のある場所を特定しながらできる範囲で隙間を埋めていく必要があります。

3.ホームインスペクション(住宅診断)を専門家に依頼する

ホームインスペクションとは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が第三者的な立場から、住宅の劣化や不具合箇所の有無や改修すべきかのアドバイスを行なう専門業務です。

図面と現地を目視で判断する住宅診断に加えて、検査機材を用いる詳細診断を行う業者もいます。

専門家の現地調査によって断熱・気密など多角的な視点で、寒さを解決するためのアドバイスがもらえます。また寒さ以外にも住宅の欠陥を疑うケースはホームインスペクションが効果的です。

機器を使用した詳細診断の相場は10万円以上と高額ですが、本格的に調べるなら詳細診断での依頼がおすすめです。サーモグラフィーカメラでの調査も含まれることが多いので、総合的な判断が欲しい場合は最初からホームインスペクターに依頼すると良いでしょう。

断熱リフォームを検討するなら知っておきたいこと

引用:床の断熱材の種類と特徴を解説!リフォームで後入れする方法や費用も紹介 – 株式会社ALT

寒さを解決するために断熱リフォームを検討する方に向けて、以下の内容をご説明します。

  • 断熱リフォームの具体例
  • リフォームの補助金

それぞれ見ていきましょう。

断熱リフォームの具体例

家を丸ごと暖かい空間にしたい場合は、やはり住宅外周部の断熱性を高めなければなりません。断熱リフォームの具体例を3つご紹介します。

ペアガラスやトリプルガラスの複層窓にしたり、サッシ(窓の枠)も室内外ともにアルミから樹脂のものに変える窓の内側にもう一つ窓を取り付ける二重窓も。

玄関ドア

高断熱仕様のものに変更する。メーカーにもよるが断熱仕様は「アルミドア・D4/K4仕様・D2/K2仕様」の3つがある。最も断熱性の高い「D2/K2仕様」がおすすめ。

床・壁・天井

性能が高い断熱材を追加で入れる。おすすめは硬質ウレタンやフェノールフォームなどのパネル型断熱材。充分な厚みを持たせて断熱欠損のないよう施工してもらう。

てらまゆ
てらまゆ

断熱リフォームは、住宅の構造部を触るため
大掛かりな工事になりますが、
その分寒さを根本的に解決できます。

リフォームの補助金

断熱リフォームは国の補助金の対象となるパターンが多いです。補助対象の場合は、施工業者に依頼して必ず申請してもらいましょう。断熱リフォームで申請できる2つの補助金制度をご紹介します。

※補助金制度は変更される可能性があるため、最新の情報は公式ホームページでご確認ください。

子育てエコホーム支援事業

新築工事に加え、住宅の改修工事も対象となる補助金制度です。対象となる工事内容の幅が広く、ガラス交換や内窓設置、外窓交換やドア交換など開口部の断熱改修や、外壁・屋根・天井・床の断熱改修が対象となります。

使用する建材や断熱材の性能値、リフォームの工事内容によって補助額が変わるので注意してください。

上限補助額は子育て世帯・若者夫婦世帯のリフォームで30万円/戸、その他の世帯は上限20万円/戸です。
出典:子育てエコホーム支援事業|国土交通省

先進的窓リノベ2024事業

窓の性能改善に特化した補助金制度です。既存住宅における断熱性の高い窓へのリフォームのみ対象で、ガラス交換や内窓設置、外窓交換、ドア交換が補助の対象となります。

一戸あたり5万円から最大200万円まで補助されます。
出典:先進的窓リノベ2024事業|環境省

住宅の建て方や設置する窓の性能と大きさ、設置方法に応じて定額の支給となるので、正確な補助額は施工店に確認してください。

てらまゆ
てらまゆ

上記2つの制度は併用ができないため、
どちらが対象となり、より多く補助金が支給されるかを
施工業者と判断して申請してください。

まとめ|新築が寒いならまずは簡単な対策から実施する

住宅内での寒さは個人の体感にもよるところがあるので、まずはお金がかからず簡単に取り掛かれる対策から試しましょう。換気システムの風量調整や暖房設備の使い方、部屋の間仕切り方から見直すのがおすすめです。

窓まわりの冷気など原因が特定できた場合は、ホームセンターで材料がそろうような簡単な工夫から順に実施していくのが良いでしょう。

もし、目に見える範囲で対策しても寒さが解決しなければ、根本的な住宅の断熱・気密性能などの欠陥を疑う必要があります。専門家に現地調査を依頼し、構造部の補修を検討していくと底冷えするような寒さを解決できます。

せっかく建てたばかりの新築なのに、住環境が悪いと気分も落ち込みますが、ご紹介した手軽な対策から試して改善してください。

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