価格・特徴別ハウスメーカー徹底比較!ハウスメーカーどう選ぶ?

注文住宅

ハウスメーカーで家を建てたいけど

数が多すぎて選び方がわかりません。

てらまゆ
てらまゆ

ハウスメーカーは家づくりの要望をもとに
比較して検討しましょう。
ハウスメーカーの分類や特徴、どういった視点で
比較すればいいかお伝えします!

【価格層別】ハウスメーカーの分類と特徴


全国に数万社あるといわれているハウスメーカーですが、
建築費用の相場価格から3つの価格層に分けられます。
それぞれの特徴や代表的なメーカーをご紹介します。


大手ハウスメーカー

【大手ハウスメーカーの特徴】

・全国展開しているため、知名度・社会的信頼がある
・設計やデザインの自由度が高く、プラン提案力が高い
・商品(構造・工法)を全国で統一しているため、施工品質が安定している。
・アフターサービスやメンテナンス等の保証も充実している。
リセールバリューが高い。

ただ引き渡しまでの安心感や住み始めてからの保証が充実している分、
建築費用は高くなります。

【代表的なメーカー】
積水ハウス・ヘーベルハウス・三井ホーム
ダイワハウス・セキスイハイム・住友林業

皆が名前を聞いたことがあるメーカーばかりです。
ブランド力があり、安心して家づくりを任せることができます。

中堅ハウスメーカー

【中堅ハウスメーカーの特徴】

・全国展開している会社も多いため、知名度・社会的信頼がある
・商品(構造・工法)を全国で統一しているメーカーもあり、施工品質が安定している
価格・ブランド力・品質のバランスが取れている。
・住宅性能、特に断熱性・気密性に強いメーカーがある

住宅性能など、大手より品質の良いメーカーもあります。
しかし建築費用が安いかというと、大手と変わらない金額になることも多いです。

【代表的なメーカー】
ミサワホーム・トヨタホーム・住友不動産・一条工務店
パナソニックホームズ・スウェーデンハウス・ヤマダホームズ

以上のメーカーは、大手ほどでなくとも十分に知名度のある会社ばかりです。
大手ハウスメーカーは価格が合わなそうな方や
大手では叶えられない、こだわりをお持ちの方にもおすすめです。

ローコストハウスメーカー

【ローコストハウスメーカーの特徴】

建築費用が安い
企画(規格)住宅の商品が多い
打ち合わせの回数が比較的少ない

しかし建築費用を抑えた分、施工品質や入居前後のサービス内容が
大手・中堅ハウスメーカーよりも劣っていることがあります。

【代表的なメーカー】
タマホーム・アキュラホーム・アイ工務店・クレバリーホーム
桧家住宅・ヤマト住建・ユニバーサルホーム・アイフルホーム

なるべく建築コストを抑えたい方や、
こだわりがあまりなく打ち合わせの労力も抑えたい方におすすめです。

ハウスメーカーを比較・検討する項目7つ


ハウスメーカーを比較・検討するには、比較項目の中から優先したい項目を選び、
各ハウスメーカーを照らし合わせてみましょう。

この記事では、ハウスメーカー選びにおける「比較項目」を以下のように設定しています。


坪単価

坪単価とは、住宅1坪あたりにどのくらい建築費用がかかったかを示す指標です。
建物の予算があまりにも合わなさそうな会社は、早い段階で候補から外した方が効率的です。

坪単価は以下のような式で計算されます。

家の本体工事価格 ÷ 延床面積(建物の坪数)= 坪単価

例)本体価格2800万円で延床面積が40坪の家なら、
2800万円 ÷ 40坪 = 70万円
という計算になり、坪単価は70万円になります。

また建築を希望するハウスメーカーに、平均的な坪単価を確認すれば
希望する坪数の建物本体価格を試算できます。

例)平均坪単価70万円で延床面積が40坪の家を建てるなら、
70万円 × 40坪 = 2800万円
という計算になり、本体価格は2800万円になります。

坪単価はハウスメーカーによって大きく異なるため、
決めた建物の予算に合うか本体価格を試算し、ハウスメーカーの候補を絞り込みましょう。


施工エリア

施工が可能なエリアは、ハウスメーカーごとに異なるため最初に確認しておきましょう。

しかし、ホームページには施工エリアの情報が載っていないことが多いので、
建てたいエリア付近に住宅展示場があるかを目安にします。
住宅展示場が近くにあれば、余程施工対応エリアから外れることはありません。

全国展開しているハウスメーカーは、もちろん施工可能エリアが幅広いのですが、
沖縄県や離島は大手ハウスメーカーでも施工対応外になることが多いので注意しましょう。


構造・工法

住宅の構造は「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」の大きく3つに分けられます。
日本における新築住宅の割合は木造87.6%と、木造が大部分を占めています。
参照:国土交通省 新築建築物に占める木造建築物の割合(R4年度着工・床面積)

また、主に大手のハウスメーカーでは「鉄骨造」を扱っているメーカーもあります。
「木造」と「鉄骨造」の特徴をお伝えします。

構造主な特徴
木造断熱性能が優れている
鉄骨造に比べ建築費用が安いメーカーが多い
耐震性・耐火性に気を使う必要がある
鉄骨造柱1本強度が高く、開放感のある間取りが可能
耐震性能が高い
木造に比べ断熱性能が劣る
建築費用が高くなりがち

家を建てる方法である「工法」にもさまざまな種類があります。
代表的な工法をご紹介します。

工法主な特徴
木造軸組工法間取り・デザインの自由度が高い
増改築がしやすい
2×4・2×6工法床や壁を面で支えるため木造軸組工法より
耐震性・耐火性・気密性が高い
木質系プレハブ工法歪みにくい気密性が高い
省エネルギー効果がある火災に強い
ユニット系プレハブ工法   「木質ユニット工法」「鉄骨ユニット工法」がある
工場生産によって品質が安定しやすい
工期が短い
増改築がしやすい
鉄骨系プレハブ工法工期が短い

同じ工法で住宅を建てていても、その「売り」は各メーカーによって異なります。
メリット・デメリットを理解した上で、希望の工法を選びましょう。

性能

地震大国の日本では、耐震性の高い住宅を選ぶのは必須です。
そのため昨今どのハウスメーカーを選んでも、ある程度の耐震性は担保されています。
しかし、耐震性にもレベルがあり、「耐震等級」という基準で表されます。
どのハウスメーカーの商品を選ぶか、どう設計するかによって耐震レベルは決まるため、
自分の求める耐震レベルと合致しているか確認しましょう。

【耐震等級】
耐震等級には1から3までの等級があります。

耐震等級1(耐震性の最低基準)
震度6強~7相当の地震に対して倒壊・崩壊しないこと。
震度5強相当の地震に対して損傷を生じないこと。

耐震等級2
耐震等級1の1.25倍の耐震性がある。
長期優良住宅の認定基準

耐震等級3
耐震等級1の1.5倍の耐震性がある。
耐震等級を上げるために追加費用がかかる場合もありますが、
地震保険料の割引などのメリットもあります。

他にも住宅性能には「耐火性」「断熱性」「気密性」が挙げられます。
耐震性に比べてあまり重視されないのが「断熱性」「気密性」です。
建築費用(イニシャルコスト)は高くなるものの、
住み始めてからの光熱費が安くなったり、快適な住み心地を得られます。
住宅性能にこだわりたい方は、各メーカーの性能の数値を比較しましょう。


気密性・断熱性については、以下の記事で詳しく解説しています。


外観デザイン

家の外観にこだわりたい方は、ハウスメーカーごとの外観デザインをチェックしてください。
シンプルモダン、和風、北欧などの多種多彩なデザインがあり、
各メーカーの得意・不得意もあります。

住宅の外観を見るだけで、どのメーカーで建てたか分かる人もいるほど、
外観の特徴が強く出るハウスメーカーもあります
自分の好みと合うか、展示場やオーナー住宅見学会で確認するのがおすすめです。

また外観は外壁の材料(タイル・塗り・サイディング張りなど)でも変わってくるため、
どの外壁材を標準仕様として採用しているかチェックしておきましょう。

建築事例やSNSなどで好みの家の画像を集めておくと、
打ち合わせで外観の希望を伝えやすくなります。


保証・メンテナンス

新築住宅では、瑕疵(かし)保証への加入が義務付けられているため、
どのハウスメーカーで建てても、完成から10年間は最低限保証されます。
それに瑕疵保証に加えて、ハウスメーカーによっては30年~のメーカー保証もあります。

しかし、保証を受けるには、定期点検や有償工事を受けるなど条件があり、
その条件を満たしているかによって保証期間に該当するかが決まります。
無料点検や無料補修はいつまでか、その補修範囲はどこまでか、
また最長の保証期間とその条件も把握しておくことをおすすめします。

リフォーム対応や問い合わせ窓口などのアフターサービスについても、
事前に調べておきましょう。

保証やアフターサービスの手厚さは、
同じ大手ハウスメーカーでも大きな差が出るポイントです。
重視する場合は内容を細かく比較してください。


営業担当者

家を建てたあとも、長く付き合う営業担当者は非常に重要です。
実際にハウスメーカーとの契約時に、営業担当者との相性が決め手になる場合もあります

担当者が間取り等のプラン提案力、土地や住宅ローンの知識を持ち合わせていると
家づくりに対する安心感が違います。
また、丁寧でわかりやすい説明をしてくれるか、連絡のレスポンスの速度など
自分と相性がよさそうかで比較しましょう。

不安要素が一つでもあれば、他のハウスメーカーを検討したり、
営業担当者の変更を申し出たりするのが賢明
です。

大手ハウスメーカー比較


誰もが一度は耳にしたことがある大手ハウスメーカー6社の比較一覧表は、以下のとおりです。

ハウスメーカー坪単価(万円)施工エリア構造・工法住宅性能外観デザイン保証特徴
積水ハウス93沖縄以外鉄骨造・木造シンプルモダン初期30年保証設計の自由度が高い
ヘーベルハウス101関東・東海・関西・西日本の一部(岡山・広島・山口・福岡・佐賀)重量鉄骨造耐震性◎シンプル初期30年保証独自の制震システム
三井ホーム89全国木造・鉄骨造洋風クラシック最長60年保証デザイン性が高い
店舗併用住宅の実例が多い
ダイワハウス90全国鉄骨造・木造シンプル初期30年保証天井高が高い大空間
セキスイハイム88沖縄以外鉄骨造・木造シンプル最長30年保証省エネ性が高いスマートハウス
住友林業85沖縄以外木造シンプルモダン初期30年保証木を使ったデザイン性が人気

上記の大手ハウスメーカーは、イニシャルコストが高い分、
建てた後の保証・メンテナンスの内容が優れています。
ほとんどのメーカーが完成後30年は無償で定期点検をしてもらえます。

住宅性能面では、鉄骨造がメインのメーカーは耐震性が特に優れています。
大手ハウスメーカーの鉄骨造メーカーの中でも、
一番満足度が高く人気なのが「ヘーベルハウス」
です。

重量鉄骨造の強固な構造体は耐震性能が非常に高く、
独自の制震システムを搭載し、巨大地震に備えます。

また大手のハウスメーカーは、断熱材は質のいい素材を使っていても
気密施工・気密測定を行っていないメーカーがほとんどです。
国の基準がなくなったことや、そもそも鉄骨造は隙間ができやすいこと、
気密施工は現場によって品質にばらつきが出やすいことが原因で
大手ハウスメーカーは、気密のデータを公表しないのです。

高気密・高断熱にこだわるのであれば、
次に紹介する中堅ハウスメーカーを検討してみてください。

中堅ハウスメーカー比較


中堅ハウスメーカー7社の比較一覧表は、以下のとおりです。

ハウスメーカー坪単価施工エリア構造・工法住宅性能外観デザイン保証特徴
ミサワホーム84.4沖縄以外木造シンプルモダン初期35年保証中二階(蔵)など空間デザイン性が高い
トヨタホーム87北海道・沖縄以外重量鉄骨造シンプル初期40年保証大空間
住友不動産81.8沖縄以外木造シンプルモダン初期10年保証住宅設備に強い
一条工務店89.9沖縄以外木造気密・断熱◎シンプル最長30年保証高性能・標準仕様重視
パナソニックホームズ87.7東日本・首都圏・中部・近畿・中国四国・九州・沖縄 他重量鉄骨造シンプル初期35年保証パナソニック製住宅設備に強い
スウェーデンハウス90沖縄以外木造気密・断熱◎北欧初期10年保証オリコン顧客満足度10年連続1位
ヤマダホームズ77.5沖縄以外木造シンプルモダン初期20年保証スマートハウス

中堅ハウスメーカーは、会社の母体や親会社の特徴が出ている会社が多いです。
例えば、トヨタホームは災害時に自動車から給電できるシステムがあったり、
パナソニックホームズはパナソニック製の住宅設備が標準で選べたりと、
グループ会社のメリットを享受できます

また性能面では、この記事で紹介しているハウスメーカーの中で
次の2社が高気密高断熱住宅を標準仕様としています。
住宅の性能面にこだわる方には、この2社がおすすめです

【一条工務店】
戸建て注文住宅の年間契約棟数ナンバー1のメーカーです。
一条工務店のモデルハウスの仕様は、標準仕様で設計されており、
展示場で見学した際、完成イメージが持ちやすいのが特徴です。

その標準仕様は、オリジナルの住宅設備から断熱材や窓まで、
ほとんどの製品の開発・生産を自社グループ工場中心で行なっています。
そのため、標準仕様を選ぶことにより高性能かつ、
非常にコストパフォーマンスが高い家
づくりができます。

また一条工務店は全棟気密測定をし、気密性の指標であるC値:0.59 ㎠/㎡
断熱性の指標であるUA値:0.28 W/㎡・Kと平均値を公表しています。
住宅性能において、日本のハウスメーカーの中でもトップクラスのメーカーです。

【スウェーデンハウス】
北欧・スウェーデンの輸入住宅専門のメーカーです。
ハウスメーカーの注文住宅部門において、
オリコン顧客満足度10年連続1位を受賞しています。

日本ではまだ0.5%のシェア率しかありませんが、
北欧ではメジャーな「木製サッシ3層ガラス窓」にこだわっており、
トリプル(3層)サッシが標準仕様になっています。

またスウェーデンハウスは全棟気密測定をし、気密性の指標であるC値:0.64 ㎠/㎡
断熱性の指標であるUA値:0.36 W/㎡・Kと平均値を公表しています。
住宅性能において、ハウスメーカーの中でもトップクラスのメーカーです。

ローコストハウスメーカー比較


ローコストハウスメーカー8社の比較一覧表は、以下のとおりです。

ハウスメーカー坪単価施工エリア構造・工法住宅性能外観デザイン保証特徴
タマホーム68.4全国木造シンプルモダン初期10年保証コストパフォーマンスが高い
アキュラホーム79.5関東・東海・近畿・中国 他木造モダン初期20年保証木造で大空間・大開口が実現
アイ工務店68.5沖縄以外木造ナチュラル初期20年保証コストパフォーマンスが高い
クレバリーホーム74.9全国木造シンプルモダン初期10年保証外壁タイル標準仕様
桧家住宅86.7沖縄以外木造シンプルモダン初期10年保証全館空調
ヤマト住建63.6関東・近畿・中部・中国エリアの一部地域木造シンプルモダン初期10年保証コストパフォーマンスが高い
ユニバーサルホーム76.8全国木造シンプルモダン初期10年保証地熱床システム
アイフルホーム59.3全国木造シンプル初期20年保証キッズデザイン賞受賞

ローコストハウスメーカーは、そのコストパフォーマンスの高さが売りです。
土地と建物を購入する場合など、建物の予算が厳しい方におすすめです。

ただ、現場施工が大半なので、施工品質にバラつきが出る可能性もあります。
価格に応じたデメリットがあることもふまえ、ハウスメーカーを検討しましょう。

まとめ


「ハウスメーカーを比較して選ぶ」をテーマに、
価格層別の代表的なハウスメーカーとその特徴や、
ハウスメーカーを比較・検討すべき項目について紹介してきました。

ハウスメーカーの選び方がわからないという悩みを解消できていれば幸いです。

最後にこの記事でご紹介した内容をまとめます。

<ハウスメーカーを比較し選ぶ方法>

【価格層別のハウスメーカーの分類】
 ・大手ハウスメーカー
  設計の自由度・施工品質・保証など信頼・安心感がある。

 ・中堅ハウスメーカー
  価格・ブランド力・品質のバランスが取れている。
  住宅性能(特に断熱性・気密性)に強いメーカーがある。

 ・ローコストハウスメーカー
  建築費用が安く、打ち合わせ等の労力も少なくて済む。

【ハウスメーカーを比較・検討する項目】
 ・坪単価
  建物予算と本体価格が合いそうか。
 ・施工エリア 
  住みたいエリアで対応しているか。
 ・構造・工法 
  主に木造と鉄骨造がある。どちらを選ぶか。
 ・住宅性能 
  耐震性はもちろん、気密・断熱にもこだわるか。
 ・外観デザイン 
  自分の好みと合うか。
 ・保証・メンテナンス
  初期保証の長さ。いつまで・どの範囲まで無償か。
 ・営業担当者
  自分と合いそうか。丁寧かつ迅速な対応をしてくれるか。

【大手ハウスメーカー比較】
 ・初期保証の長さや、無償定期点検の期間にそんなに差はない。
 ・鉄骨造が多いが、満足度と耐震性においてヘーベルハウスが人気。
 ・大手ハウスメーカーは気密性能に力を入れていない。

【中堅ハウスメーカー比較】
 ・会社の母体や親会社の特徴が出ているメーカーが多い。
 ・気密・断熱の住宅性能にこだわるなら一条工務店かスウェーデンハウス。

【ローコストハウスメーカー比較】
 ・建築費用が安いが、現場施工のため品質にバラつきが出やすいことを覚えておく。

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