家づくり何から始める?住宅展示場に行く前にする4つのこと

注文住宅

そろそろ家を建てたいけど…

家づくりを何から始めたらいいかわかりません。

一番最初は住宅展示場に行けばいいですか?

住宅展示場にいきなり行くのはオススメしません!

家づくりの具体的なビジョンがないと
営業マンのペースで話が進み、時間・労力が無駄になります。
うっかり「その気」になってしまうことも…

住宅展示場など建築会社に話を聞きに行く前に、最低限するべきことが4つあります。
この記事では、家づくりにおいて何から始めればいいか、最初のステップをご紹介します。

家づくりの大まかな流れと期間を知る


最初に、家づくりはどのような流れで進んでいくのか知っておきましょう。
家づくりの大まかな工程は以下になります。


家づくりを計画し始めてから家が完成するまで、かなりの時間がかかります。
その期間は平均すると「約9ヶ月~1年」。短くても「半年以上」かかるでしょう。
引っ越しの希望時期が決まっている場合は、家づくりの期間を引っ越しから逆算して考え
計画的に始めましょう。

工程の中でも、特に時間がかかるのは「土地探し・プラン決定」です。
家づくりを効率よく進めていくには、次に紹介する下準備が重要になります。

家づくりで最初にすること【家族会議】

家づくりの必要条件を家族で共有する

家づくりを検討するにあたり、まずは必要条件を家族で話し合いましょう。
家づくりの前提として必ず確認しておいてほしい「5W1H」の条件を紹介します。

WHO誰名義にするか 例)単独ローン or ペアローン
WHAT住宅のタイプ例)2階建て or 平屋 / 単世帯 or 2世帯住宅
WHEN引っ越し時期の目安例)子供の小学校入学前
WHEREどこに建てるか例)勤務先の近く 実家の近く
WHY家づくりの理由例)家族が増えて手狭になったため
HOW予算の目安例)ローンの毎月の支払い〇万円までOK

上記は、建築会社で相談するときにまずヒアリングされる内容です。
打ち合わせ時に家族間で意見が食い違わないよう、家族全員が納得した上で決めておきます。

以上の条件の中でも、特に重要なのが「どこに建てるか」です。
今後の人生を過ごす場所を決めるのですから、
土地探しには時間も労力もかなり必要になります。
ある程度エリアを絞り、土地の優先的な条件を話しておきましょう。

何を優先するか、先に話しておくと

土地探しの判断基準がブレなくなります。

土地探しの方法については以下の記事で解説しています。


意外と決めていない人が多いのは「引っ越し時期の目安」です。
私が住宅営業をしていたとき「いつ頃家を建てたいですか」とお客様にお聞きすると
「特に希望はない」「数年以内に建てられれば」とおっしゃる方が多かったのです。

しかし、前述のとおり家づくりは時間がかかります。
明確な時期のゴールがないと決めるべきものも決まらず工程が進んでいきません。
仮に現在家賃を支払っていて建築希望地に今すぐ引っ越しても問題がない場合、
家づくりを先延ばしにした分無駄な家賃を支払ってしまいます。

特に引っ越し時期に希望がなくても、何年の何月ごろまでには
新居に住んでいたいと家族でイメージを共有
しておきましょう。



理想の住まいのイメージづくり

次は「新しい住まいでどんな暮らしがしたいのか?」を家族全員で話し合って、
建てる家の要望を明確にしていきましょう。
家族会議の4つのステップをご紹介します。

今の暮らしの不満をリストアップする

家づくりとは「暮らしの改善」です。
現在暮らしの中で感じている改善したいポイントこそが、新居への要望となります。
今の暮らしの不満をリストアップして、改善点を洗い出しましょう。

例)水回りの導線が悪く、洗濯時に使いづらい。

  冬に窓ガラスが結露するのが嫌。

家づくりの要望をリストアップする

「家の広さ・部屋数」「間取り・デザイン」「構造・住宅性能」「住宅設備」など
細かな家づくりの要望を思いつく限りリストアップします。
前項の暮らしの不満点をどう改善したいか要望に加えましょう。

例)脱衣所と別にランドリールームをつくりたい。

  高断熱高気密にこだわりたい。

要望の優先順位を決める

リストアップした家づくりの要望に優先順位をつけていきます。
特に「構造」「間取り」といった予算の増減に対して影響が大きく、
設計が決まったあとに変更できない項目を優先してください。
「内装デザイン」や「住宅設備」など、家づくりの予算の内割合が小さい項目は、
設計決定後に変更ができるため、あとまわしでも問題ありません。

ただしすべての要望を叶えようとすると、大幅に予算をオーバーしてしまいます。
「何が外せない条件で何を妥協してもいいか。」
実際に建築会社で打ち合わせをする際に判断軸がブレないよう、意見を合わせておきましょう。

例)高気密高断熱が一番優先。

  断熱材のグレードを上げる代わりに、
  ランドリールームは広めの脱衣所と兼用でOK。


④要望から住まいの具体的な情報・イメージを集める

家づくりの要望に優先順位を付けられたら、イメージに近い画像や写真を集めていきます。

一番簡単に出来るのは、インスタグラムやピンタレストといったSNS・画像サイトの活用です。
例えばインスタグラムで「間取り」と検索すると、参考になる設計図がたくさん出てきます。
また、実際に家を建てた施主が発信している「家づくりアカウント」も仕様・デザインなど、
参考になる画像がたくさん載っています。
イメージに近い画像はブックマークして後からまとめて見られるようにするのがオススメです。

他にも、気になるハウスメーカーに資料請求するのも効率よく、
イメージを集めることができます。
各社のカタログ・施工事例集・間取り集などに目を通してみましょう。

ただし各建築会社から営業電話・メールが来るので、
片っ端から資料請求するのはおすすめしません。
資料請求先を精査してから問い合わせてください。




住宅展示場に行く前に家族会議!


記事の冒頭でお伝えしたとおり、住宅展示場にいきなり足を運ぶのはNGです。

住宅展示場のモデルハウスは大体が建築費億越えの豪邸で
部屋が広かったり、住宅設備は最上級グレードのものであったりとあまり参考になりません。
担当者から「強めの営業トークを受ける」など、独特の雰囲気に流されてしまいがちです。
家づくりの具体的なビジョンがないと、時間を割いて話を聞いても参考になりません。

そのため家族会議を行って、以下のような家づくりの準備がある程度整ってから、
住宅展示場に足を運ぶ
ようにしましょう。

・家を建てるための基礎知識を身に付けている

・建てたいハウスメーカーの候補を絞れている

・展示場で何を見たい・聞きたいが定まっている

家づくりの予算を検討する【資金計画】


前のトピックでは、家族会議を最初にするべきだとお伝えしてきました。
話し合う項目の中でも、予算面は土地探しや家の要望を考えるのに重要です。
ここでは、家づくりの相場を知り、資金計画の立て方をご紹介します。

家づくりに必要な費用は?相場を知る

地域土地あり土地なし差額
全国平均3715.2 万円4694.1 万円978.9 万円
三大都市圏3955.9 万円5113.7 万円1157.8 万円
首都圏4016.8 万円5406.1 万円1389.3 万円
近畿圏3990.5 万円4893.8 万円903.3 万円
東海圏3784.2 万円4693.9 万円909.7 万円
その他地域3502.6 万円4151 万円648.4 万円

出展:住宅金融支援機構「2022年度フラット35利用者調査データ」

上記の表は、住宅金融支援機構が公表する「2022年度フラット35利用者調査」データのうち、
注文住宅の建築費用の平均値を、「土地あり(土地を持っている人)」と
「土地なし(土地を持っていない人)」に分けて地域別にまとめているものです。

全国平均で見ると、土地を持っている人の費用は「3715.2 万円」なのに対して、
土地を持っていない人の費用は「4694.1 万円」
その差額は「978.9 万円」という結果でした。

つまり相場は、土地ありの場合は「建物のみで3700万円ほど、
土地なしの場合は「土地+建物で4700万円」ほどかかると覚えておきましょう。


おすすめの資金計画の立て方

家づくりの相場がわかったところで、次は資金計画を立てます。
家づくりの予算に対し、住宅ローンをどのくらい借りて、
毎月いくら返済していくのかをシミュレーションします。


住宅ローンシミュレーション

住宅ローンの借入額はおおよそ「年収の7倍」と言われています。
例)年収500万円の場合、500万円×7=3500万円ほど銀行が貸してくれると考えられます。

ただ、貸してくれる額と返せる額は別です。
家づくりの予算は、現在支払っている毎月の家賃など家計をふまえ、
毎月返済していけるか考えましょう。
例)家賃毎月8万円支払っている→月2万円プラスの10万円が毎月の返済の許容範囲

また「ボーナス払い」はオススメしません。
この先、永続的にボーナスがもらえるかどうか定かではないからです。
「ボーナスが入らなくても、毎月いくらであれば無理なく返していけるか」という視点で
家づくりの予算を考えてください。

上記の内容を、簡単にシミュレーションできるサイトをご紹介します。
条件を詳細に入力できるので、いろんなパターンを試してみてください。


FPにライフプランニング表の作成を依頼

前のトピックでは、毎月の家計からローンの月の返済額を考えるとお伝えしました。
しかし今後の人生を見通すと、教育資金や老後資金など、住宅資金以外にも大きな出費があります。
今後かかる大きな出費を想定して家づくりの予算を決めた方が、将来資金面の不安を軽減できます。

その場合、FP(ファイナンシャルプランナー)に依頼して、
ライフプランニング表を作成してもらうのがオススメです。


住宅展示場でも、資金計画について相談するとFPを紹介してくれますが、
売り手側に紹介されたFPよりも、自分が信頼できるFPを見つけて依頼しましょう。
現在は家にいながらオンラインでFPと面談することも可能です。

信頼できるFPはこちらから見つけられます。

建築依頼先を決める【建築会社選び】

これまでは、家づくりの下準備を進めてきました。
家づくりの要望と予算が明確になったら、いよいよ建築会社を選びましょう。
注文住宅の建築依頼先は「ハウスメーカー」「工務店」「設計事務所」が一般的です。


各建築依頼先の特徴

ハウスメーカー

ハウスメーカーは「家を売る会社」です。
全国展開しているメーカーは、各地に営業拠点を持ち、経営基盤が安定しています。
そのため知名度が高く安心感が得られるのが特徴です。

全国で統一された品質を保ち、大量生産によるスケールメリットで、
コストパフォーマンスの良い家づくりができます。

スケールメリットは、住宅設備などの仕様にも適用され、
いわゆる「標準仕様」はハウスメーカーが設備メーカーから、
多く安く仕入れているものを選ぶことになり、施主も安く手に入れられます。

規格化された住宅もプラン数が多く、打ち合わせが少なく済み工期も短くなるのでオススメです。

てらまゆ
てらまゆ

「何から何まで自分で決めたくない。」

「あまり住宅の仕様にこだわりがない。」

などと打ち合わせの労力を減らすことを重視される施主様が
近年増えた印象があります。

逆にこだわりが強くオプション仕様が多い人にはハウスメーカーはオススメしません。
例えば階段をスケルトンの鉄骨階段に変更したり、
洗面台をメーカーの既製品ではなく造作にしたりすると、
標準仕様からの差額が大きいため、かなりの増額となります。
標準仕様から大幅に外れたデザインを好む人は、工務店や設計事務所をオススメします。


また保証・メンテナンス期間が長く、
アフターサービスが充実している
のもハウスメーカーの強みです。

ただし、大手ハウスメーカーは建てた後のサポートが手厚い分、建築費用は高いです。
保証・メンテナンスの面でハウスメーカーを選ぶのであれば、
イニシャルコストの高さと保証内容が見合うものか確認しましょう。

工務店

工務店は「家をつくる会社」です。
地域密着型の会社が多く、二人三脚で家づくりを進められます。
その土地や環境合わせた早い対応で安心感の高い家づくりができるのが特徴です。

工務店の最大のメリットは、予算に応じた無駄のない家づくりができること。
ハウスメーカーのような「標準仕様」がなく、スケールメリットはない会社が多いです。
その代わり、個性的なデザイン・仕様を選びやすいというメリットがあります。

しかし、ハウスメーカーや設計事務所と比べるとデザインの提案力は期待できません。
流行りのデザインや仕様を取り入れたい場合は、施主のリサーチ力・依頼の仕方が問われます。

また工務店は、工事に関わる職人の手配や管理を行う会社です。
そのため自社施工となり、ハウスメーカーのような外注施工ではないので
打ち合わせ時と現場のギャップが小さいのもメリットになります。

近年は小規模な町の工務店だけでなく、フランチャイズの加盟店や、
着工棟数の多いビルダーのような中堅的な工務店も増えています。

工務店は特に会社によって得意分野や特色が異なりますが、
間取りやデザインの自由度が高く、コストを抑えながら細い希望に対応してもらいやすいです。


設計事務所

設計事務所は「家を描く」会社です。
より前衛的で優れたデザイン・設計の住宅を希望する場合は検討してもいいかと思います。

特に変形地や狭小地など条件の厳しい土地であっても、要望に合わせたプランニングが期待できます。
しかしハウスメーカーや工務店と比べると、
デザイン費や設計費が上乗せされるため建築費用はかなり割高です。

さらに設計しか依頼できない設計事務所もあり、
その場合は、施工は別の工務店に依頼しなければなりません。
そうなると建築費用が高くなるのは明らかです。

設計のみ請ける設計事務所に依頼するのは、余程予算に余裕がない限りオススメしません。

建築会社選びで覚えておいてほしいこと

家づくりの代表的な建築依頼先をご紹介しましたが、
例えば同じ地域の工務店でも「何に強くて何が弱いのか」特徴が全く異なります。
あまり上記の3つの分類に捕らわれず、最初から選択しを絞りすぎないようにしてください。

家族会議で決めた要望を叶えられる建築依頼先を見つけましょう。

まとめ

「家づくりを何から始めるか」をテーマに家づくりの期間や下準備、費用や
建築会社の特徴などをご紹介してきました。
家づくりの始め方がわからないという悩みを解消できていれば幸いです。

最後にこの記事でご紹介した内容をまとめます。

<家づくりで最初にやるべきこと4つ>

①家を建てるにはどのくらいの期間が必要か。
 家づくりの流れを確認する。

②家族で家づくりの条件・要望・イメージを固める。
 それらに優先順位をつけて、家族内で共有しておく。

③家づくりの費用相場を知り、予算を決める
 無理のない返済ができるよう、詳細にシミュレーションをする。

④建築会社の特徴を踏まえ、建築依頼先を検討する
 決めた優先的な条件・要望を叶えられる建築会社をネットで調べる。

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